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勇者召喚が似合わない僕らのクラス | 作者: 白神 怜司

勇者召喚が似合わない僕らのクラス

活字中毒者のための用語解説

ファルム王国 – 勇者召喚を行った異世界の王国。第一王女のアメリア・フィル・ファルム が 召喚された僕らのクラスに最初に挨拶をした。

それにも関わらす、僕らのクラスの誰も、行儀よく混乱することさえしない……

勇者 – そんな状況の中、第一王女がいろいろな説明をしていき、その説明に対してようやく口を開いた人がいた。

佐野さん、間違いなく君こそ勇者だ!

六名の勇者 – なんだか話がおかしな方向にいっているような気がする。なに?六名って。僕ら、11人いるんだけど。そう言えば昔読んだお母さんの漫画にあった気がする。11人いる ってタイトルの漫画が。でもあれは確か、10人しかいないはずのところに11人いたって話であって、6人のところに11人いるって話じゃなかったと思う。

……巻き込まれ?

間違い系異世界召喚 – 巻き込まれ系 異世界召喚だと、だいたい勇者一行に三人から四人くらい召喚されて、たまたま通りかかったサラリーマンなんかが一人巻き込まれてしまう。そう、たまたま巻き込まれるのが “巻き込まれ系”の基本。

でも、召喚するべき人数が6人ていうのも多いと思うけど、それに5人も追加で招かれちゃったら、それってただの間違いだよね?って話。

そんなことを口にしたら、既に涙目になってる第一王女様がいよいよ声上げて泣き出しそうだから言わないけどさ。けど、そうだよね。

固有術技(オリジナルスキル) – 涙目の王女様は動揺してカミカミになっちゃって、それをごまかそうとしてなのかこんなことを言いだした。

「異界の勇者様は、世界を超えて召喚されますから! その際に皆様は等しく【固有術技オリジナルスキル】を手に入れているはずですし! と、とにかく”ステータス”と唱えてくださいっ!」

本編:0-1 これは酷いキャスティングミス より

そしたらゲーム好きの加藤君たち、大きな声で「ステータス」って。けど、そのあとの落ち込みようから察して、使えなさそうなオリジナルスキルだったんだな。

ドンマイ、加藤くん

ステータス – どうやらステータスは、他人には見られないらしい。たぶん権限とか何かあるんだろうけど、今はいいや。

そうして僕も僕のステータスを見てみた。

そうしたら……

――――――――――
《高槻 悠 Lv1 職業:〈傍観者〉 状態:良好》
攻撃能力:7     防御能力:4
最大敏捷:12     最大体力:9
魔力操作能力:32   魔力放出能力:0

【固有術技】:【スルー】
〈称号一覧〉
・〈徹底的な第三者〉
―――――――――――

本編:0-1 これは酷いキャスティングミス より

うん、なんだろうね、これ。いろいろとツッコミ所が満載だよね。

調味料配合 – うん、発言勇者の称号はまだみたいだけど、すごいね佐野さん

センタリング – 赤崎くんは、サッカー部らしいスキルだね。

嘘付き – 加藤くん、どんまい……

天使の歌声 – さすがはムードメーカーの橘さん。一番スキルっぽいよね。

人間ミシン – 西川さんは生産系チートかな。でもそう言ったら佐野さんも料理系生産チートっぽいよね。

スルーって、サッカー部でもないのになんでだろうね、僕。

異界の勇者 – ……

「『異界の勇者』、というのはかつてより我がファルム王国に伝わっている存在なのです。異界から突然現れた勇者様が、何百年も前にこのファルム王国を救ってくださりました。当時の書物によれば、異界から来た皆様は勇者様と同様に黒目黒髪であったとされているため、皆様もまた勇者様であると確信した次第です」

本編:0-2 【固有術技】――《オリジナルスキル》より

ああ、そうなんだ。それはどうでもいいけど僕のスルーについて説明してほしいよ。

魔法 – アメリア王女がさらっと大事なことを言ってた。なに魔法って?そんなのステータスになかったけど……

――――――――――
《高槻 悠 Lv1 職業:〈傍観者〉 状態:良好》
攻撃能力:7     防御能力:4
最大敏捷:12     最大体力:9
魔力操作能力:32   魔力放出能力:0

【固有術技】:【スルー】
〈称号一覧〉
・〈徹底的な第三者〉・〈女神の抱腹対象〉【NEW】
―――――――――――

本編:0-2 【固有術技】――《オリジナルスキル》より

うん、やっぱりMPとかないけど、知らないうちに称号が増えてるね……

効果音のような何か – これ、はじめてスルースキルが発動したときの音だ。懐かしいなぁ……

誘導術 – ファルム王国のジーク侯爵さんが、話をスムーズに誘導しようとして発動したスキルみたいだった。

すっかりと僕にはスルーされてたね。

存在力 – そうそう、ステータスをあげるために得なきゃならないのがこれ、存在力。……まあ、僕には関係なかったんだけどね。

とまあ、こうして僕らは異世界に召喚されて、それから色々なことをのりこえていったわけなんだけど、いつ頃からか全くと言っていいほど物事が進展しなくなっちゃったんだ。

それで、何とかしようと思ってあっちで手に入れた力とかコネをつかって、こうして来たわけさ。つづきをね、書いてもらいたいと思って。

……まあ、あんまり期待はしていないけどね。

異世界 召喚

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