おすすめ 小説 GSO グローイング・スキル・オンライン

GSO グローイング・スキル・オンライン | 作者: tera

読後感想

626 ページまで読み終えて 思った。 面白い、と。

本当はおそらく 最初の 1 ページで そう思っていたような 気もする。 むしろ その前の 概要説明欄にあった 『魔法職って殴っちゃいけないの?』からだろうか。 とにかく面白い。

主人公の プレイヤーは その名を ローレント という。 2ページ目の中腹くらいで ようやく出てくる 名前だが、 この男 良くも悪くも ゲーム感覚で GSOを楽しんでいる。

日本人は 旅行などをする際に 予定をあらかじめ決めて 事前に下調べしていないと 不安になる人が 多いと聞く。 しかし個人的には 誰もが皆 この主人公と同じで 行き当たりばったりで 生きたいのではないかと そんなふうに思う。 なぜかと言えば 幼少時の子供がまさにそんな感じであり 自由という 感じがするからだ。

無論、 そうした子供は 親やそれに代わる大人たちが 傍で 安全と安心を 担保しているからに 他ならない。 親や それに代わる大人たちが 子供に 不安を吹き込めば あっという間に 慎重な子供に 生まれ変わるとも聞く。 躾ができていない 自由奔放な子供は 実は親がそれに輪をかけて自由だとも聞いた。 それと同じ感じを ローレントにも見た。

とはいえ tera さんの作品に共通することなのかもしれないが、 主人公には あまり厳しい 問題は 起こりえない。 主人公の性格が 成功すべくして成功する そういったタイプなのかもしれないが、 物語の進み方そのものは やけに慎重だ。

徒手空拳で なんの 助けもなく 目前に迫る 死の恐怖 に 向き合う なんて バイオレンスな 状況には 彼らは 踏み込まない。 己を知り 安全を担保して そのうえで 好き勝手に生きる範囲を 少しづつ 広げていくのだ。

そう聞くと 実は随分と 慎重なようにも 聞こえる。 しかし 良くも悪くも 思い付きの行動は 際限なく繰り返されていく。

そこも よく読んでみれば なんのことはない。 成功気質とでも言おうか、 主人公たちは 諦めるという ことをしないのだ。 しばらく 保留は 多くある。 おかげで 物語の 幅が 保留した分 どんどんと広がり 作者によっては 収拾がつかなくなるだろう。

GSO でも、 うまくいかない 挑戦や 育つのに時間がかかる スキルの グローイング などは 後回しにされて しばらく ほかされることもある。 が、 やがて 他の件が片付けば そこであらたに 取り組んでいくことができる。

チート も 運がよかっただけだったり 事前の調べをせずに 思い込みに囚われていなかったおかげで 手にする という 流れが好きである。 それは もはや チート(ずる) ではなく 当人の思い切りと 運の良さ、 加えて 諦めの悪さ が 根っこにはあるような気がする。

諦めたら そこで 試合 終了ですよ。

この言葉は 思った以上に 多くの少年少女の胸に 深く刻まれているのだろうと 実感もできる。 スポーツの試合だからこそ その場で 後回しなどできるはずもなく、 また その試合に賭ける 練習だからこそ 大事なことを 後回しにして できることだけをする なんて こともあるだろう。

しかし実際に 人生や ゲームの中においては、 できることだけを コツコツと続けられるものが 後々になって より高い目標へと 挑戦することができる。 途中で無理をして 先に進めなくなる なんて ことにならないよう、 無理はしないが正解。

そんなことを考えさせられつつ 思いもつかない選択に 笑いをこらえるこの作品は 最高だと思った。

サイコーだね!

キセキのゲーム GSO

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