おすすめ 小説 クラス最安値で売られた俺 は、実は最強パラメーター

クラス最安値で売られた俺 | 作者: RYOMA

読後感想

ざまあ/ざまぁ系 なろう小説 の中でも、この作品はそれほど後味の悪い感じがしない作品に感じました。

他のざまぁ系の場合、どぎつすぎる仕打ちに 確かに性格がネジくれて復讐の念に取りつかれていく過程が ありありと思い浮かぶものが多いのですが、 こちらの作品では 主人公の性格もあるのでしょうか、 その復讐心がそれほど強く感じられず そこが良かったのかもしれません。

恨みつらみに囚われると あたり一面が敵だらけに思えて それがさらに悪循環を呼び 人生を狂わせていきます。

本作の主人公は、 そうした負の情念よりも 先に 他者を思い遣る心が描かれていて 遠くない将来に それが結果として ざまあ見ろ 的なところに落ち着いていきそうで 嬉しかったです。

修学旅行の途中、バスに乗って移動しているところを ほぼ拉致に近い状態で 異世界に呼ばれていく一行。 着いた世界は 剣と魔法の世界かと思いきや ロボまである世界。

そのロボを動かすのに 異世界の人間が必要だということで 定期的に異世界召喚を実施している様子の 召喚所という施設。 召喚の理由は あまりにも非人道的な もの。

「うむ、それではなぜ君たちがここへ召喚されたか説明しよう……この世界では魔導機と呼ばれる旧魔導文明の道具が、建築、土木、運送など、あらゆる場面で使われてるのだが、その魔導機は特殊なエネルギーとリンクして動かさなければいけなくてね……この世界、ファルヴァの住人は、そのエネルギーが強い者が少なくて、絶対的に魔導機の操縦者が足りないのだよ」

クラス最安値で売られた俺は、実は最強パラメーター | 作者: RYOMA

魔動機の操縦者を 定期的に地球から召喚し それを売ることで富を得ようとしている様子。 言葉ぶりからすれば 既に何度か 繰り返している常習犯のようで、 悪びれた様子さえないところが 腹がたつところです。

しかし 自分のエネルギー値を計測されると聞いて クラスの男子はとたんに色めき立ちます。 皆 自分の計測値がどれくらいかを 気にしている様子。

こうしたところは 実に 男の子ですね……

日にちが変わって翌日、 あまり美味しくもない食事を与えられて一晩過ぎたらもう オークションです。 この辺りは随分と効率化されているようですし、かつ 召喚拉致の常習だと言うことがわかります。

そうして計測されていくエネルギー値――ルーディア値 というようです。

クラスメイトは 優秀なものが多く 1万の値を超える ハイランダー、2万越えの ダブルハイランダー、 そうして最高値(ではないのですが)3万越えの トリプルハイランダー と続々と優秀な値が飛び出します。

そうした中、主人公が 計測する装置に乗ると なんと 一周回ってしましました。 が、しかし 計測装置は最新のものと 計測担当の兵士が言うと、 一周回ったことは ないことにされてしまい 残った数値は 2。

一桁の数値しかないことにされてしまう主人公でした。

(ちなみにどうでもいいことなんですが、 この計測装置 なんだか体重計みたいですね。想像したら 身体測定のようで 少し笑ってしまいました。)

「さて……残念なライダーの登場です……本当に申し訳ございませんが売り物になるようなものではございませんが、決まりですので一度はオークションにかけさせていただきます……ルーディア値……2……何かの冗談のようなこの数値……役には立たないでしょうが記念に落札してはいかがでしょうか……それでは開始します」

クラス最安値で売られた俺は、実は最強パラメーター | 作者: RYOMA

こうして最安値というか ラーゴという果実 二個で落札となった主人公。

こうして考えてみると 能力評価というものにも 人の適性が求められるのかもしれませんね。 会社などでは 常時 繰り返される 勤務評価。 体質の 古い企業ほど その基準となる値が 勤務時間だったりします。

一人で最後まで仕事をこなせて、かつそれも短時間で済ませられる人材よりも、 のんびり休憩をはさみながら、 上司と談笑し 遅くまで会社に残る者を優遇する。 そうした会社が 以前は数多くありました。

当然ながら そうした会社からは できる人間は 追いやられます。 異質扱いになるのでしょうね、 仕事はできるが コミュニケーションがとりずらい から 使いづらい なんて口にする上司もいるほどです。

結果的に できる人間は より評価してくれる会社へと 移っていきます。 そうして追い出した会社では 使いづらい人材がいなくなって ラッキー くらいにしか考えていません。

つくづく 阿呆なことだなと 思いました。

見る目がなければ 人の上に立とうとおもうな。 とは、 私の先輩の言葉。 彼はそう言って 上司に一喝くれて 今では海外の上場企業で 辣腕をふるっています。 取引先である うちの会社 は そんな彼を手放したことに 今更ながら気が付いたのか、 かつて先輩の上司だった人は 営業職へと回され 毎日汗を流しています。

先輩 お元気ですか。みごとなざまあ、ごちそうさまでした。

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