おすすめ 小説 聖女の魔力は万能です

聖女の魔力は万能です | 作者: 橘由華

読後感想

「聖女の魔力は万能です」を、最初に見たのは テレビでだった。

それまで ラノベ とか アニメ にも あまり縁のなかった私は、久々に バイトのない日で 家に早く帰っていた。 父も母も当の昔に亡くなり、親戚とも疎遠。 兄弟姉妹もいないので まだ 10代だというのに 私は 毎日 アルバイト三昧の日々。

その日は 本当にたまたま、 あてにしていたバイト先で 店長が 本部から連絡を受けたらしく、 急遽 お休みの日となった 珍しい日だった。

家に帰って 少しばかり くさって泣いていた時、 気まぐれで付けたテレビで この作品が やっていた。 少女漫画かなと思い、 なんとなく惹かれた 興味は、 一話目を見終える頃には 確信に変わっていたのを覚えている。

この 物語りの世界には、 善人しかいない。 少し 横暴な物言いや 視野の狭そうな 王子さまはいるが、 それだって 誰かを思い遣っての 言動だった。

正直 そんな世界が 現実にはないと 思っていた。 ううん、肝心なところでは 今も そう思っている。

だけど アニメの中に描かれた世界で、 そうした世界も 実現できるんだって 気が付いてしまった。

とにかく みんな 見た目もいいけど 性格が とんでもなく善い。 いつか読んだ 少女漫画とは 大違いだと思ったし、 自分が これまで 生きてきた人生の中にも そんな人は 一人もいない。

なのになんで そう思ってしまったのだろう。 ただの勘違い であろうとは 今更ながら そう考えたりもするのだけれど、 それでも やっぱり 捨てきれない。

上に立つ人が そういう人であれば ひょっとして みんな こんな風に善人だらけの 国ができるのだろうか? それとも逆に、 下々の人が 頑張って善人で居続ければ 上もそうなっていくのだろうか?

そうした具体的な所は 全くわけがわからない。 なにせ 学校だって満足に行ってないのだから。 ちょっと悔しい。

一番悔しいのは そうした私みたいな人がいると すぐに 食い物にしようとする 連中に 寄り付かれることだ。 金を寄越せと 脅されたり、 支払いを渋られたり、 家まで押しかけてこようとされたり。

そんなふうに思っていた。 この世界は いつも理不尽で、 恵まれた人が そうでない人を 虐げてできている とばっかり 思ってた。

以前は読んでいた 漫画にしても、 アニメもそうだし、 小説だって 描かれる世界で いつも 臭い匂いがしそうな 油ギトギトにしか見えない、 自分勝手な大人達ばっかりが出てくるから。

聖女様の魔力を アニメで見た後、 インターネットで 無料で読めると聞いて、 何度かネットカフェに行って 読んでいた。

やはり この世界に住む人々の 心根は 全部 優しい。 言っていることや やっていることが 乱暴そうに見えた 傭兵みたいな人だって、 お城の 一番嫌味そうな 大臣みたいな人だって、 みんな。

きっと 一般の人々も 同じように 優しいのだろうか? そんな 期待半分で きっとこれからも読み続けていくと 思う。 そんな世界を描く 作者さんがいるのなら、 きっと そう思って 毎日を暮らしている 人も もっと沢山 いるんだろうなと思うから。

きっと誰かに話したら 笑われるのだろう。 だから きっと これから先も 口にしないで 生きていくと思うのだけど、 そうした人たちが 私よりも 上のところで 優しい人の輪を つくっていってくれたら、 頑張っていればいつか そうした輪の中に 入れるかもしれない。

それが 今の願い。 そうした人たちの 中で、 一緒になって 努力して、 一緒になって 頑張りたい。 誰かを思い遣って、 誰かに思い遣られて、 そんな世界に 私も 住んでみたいなと そう思いました。

聖女の 魔力は 万能です

Seijyo no maryoku

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