おすすめ 小説 10年ごしの引きニート を辞めて外出したら 自宅ごと異世界に転移してた

10年ごしの引きニート を辞めて外出したら 自宅ごと異世界に転移してた

読後の感想

一応 作品の紹介文のような位置づけになるんだろうけど、 正直な話 気の利いた話はできないし 空気などを読む技術もない。 なので 本当に 読んだ後の 僕が感じたままを書き残す。

WEB公開版のこの作品は、 2016年 10月25日 18時00分 に最終的な修正を終えている。 今から実に五年も前になる作品だ。 ニートという言葉が流行り始めたのは もう少し前になるが、 すっかりと定着した頃に書かれた作品ということか。 ニートは 前世紀の終わりごろにイギリスで その語源が生まれたそうだ。BRIDGING THE GAP という報告書の中に、 Not in Education, Employment or Training (学も就労も職業訓練も受けていない状態)と書かれた部分があって、 欧米人が大好きな 頭文字の 省略形 として言葉は生まれた。 だからニート自体は まだ名称がなかっただけで、それよりもずっと以前からこの世界にはいる。

ところが この作品の主人公 北条雄二、30才は、ニートなだけでなく引きこもりでもある。 この 引きこもりというのも 日本だけじゃなく世界中で 大変に古くから存在している ありようだ。 なんたって日本じゃ、神話の中に出てくる。 最高神格の 天照大御神(あまてらすおおみかみ)が 天の岩戸に引きこもった話は みんな知っている。

で、なんだけど、 主人公が引きこもってしまったのは 家族を亡くしたことが原因。 その情報を読んで暫く 僕は この小説を読み始められなかった。 だから 2016年ごろは まだ読んでいないまま、 けれど作品の人気は高く 未だに 総合ランキングで お目にかかれる。 それで あらためて読んでみることにしてみた。

物語はタイトル通り、10年越しで 引きこもり兼ニート をしていた主人公が、 最初のところで 両親を交通事故で亡くし その葬儀に出席するために 引きこもりを解いた ところから始まる。

いやなにこれ、 すまんね ここまで読んで(いま改めて読み返しながらでもあるけど) ダメじゃん、涙出てきちゃうじゃん。

家族を亡くしたばかりの方は読まない方がいいです。

今どきの親子関係であれば、 下手をすると 両親が事故 にあったら 苦い顔をするのかもしれない。 治療費やらなにやら お金のことばかり気にして しまいには なんで事故で死ななかった くらいのことを言いそうな イメージがある。

でも、 この物語の主人公は そうじゃなかった。 よかった とちょっと 思った。 これで主人公がクソなら、物語全体が クソ感満載ってことになる。 なのでそうじゃなくてよかった。

彼の名前は 北条雄二。 30歳になるまで引きこもりだったらしいので、 20歳からの十年を自分の部屋だけで過ごしたということらしい。

そんな彼が外に出た……

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 顔を上げて門の先、敷地の外を見る。

 首を傾げる。

 目を閉じて頭を振る。ゆっくり目を開けて敷地の外を見る。

 景色は変わらない。

 森であった。

 敷地の外は、森であった。

 見渡す限り、森であった。

第一話 ユージ、家から出ようと試みる

そう、まさに タイトルに書かれているように、 彼は 自宅ごと異世界へと 移り住んでしまっていた。

そうして 雄二は ひとつの結論に至る。

10年 自宅に引きこもったままだと こんなことになってしまうのだろうか……

「そっか、あれだな、ウチが越したんじゃなくて、まわりが引っ越したんだな、うん。家の中に俺がいてウチが引っ越せる訳ないもんな。はは、バカだなー俺も」

第二話 ユージ、家から出ることを諦める

ちょ、ま、 タイトル2話目で もう外に出ようとするのを諦めようというのかね!?

と、 こんな感じに はじまるわけです。

小気味よいリズムで 文章が すらすら 読める。 レトリックだったりシニカルだったり、けれどそれらが嫌らしく感じられない。 それが この作者さんの いいところなのかもしれない。

とりあえず 内容バレをできる限り抑え、 入口のほんのさわりだけを ちょこっと紹介してみたけど、 いかがなものだろうか?

10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた

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10年ごしの引きニートを辞めて外出したら自宅ごと異世界に転移してた

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