こころざし日記 1

娘の夢と、こころざし

 早いもので娘がもう、高校三年生になった。

 妻と一緒に家族となってから五年と少しが経過したことになる。出逢った最初はちっちゃな小学生で、電車で帰ろうとすると駅で涙鼻水垂れ流して大泣きしていた子が、大きくなったものだ。

 そんな娘が社会へ出るために、今日意を決したような顔で「発声練習の基礎を教えてください」と言ってきた。

 ようやくか、と思った。

家族になった頃の桜

 いつからか、娘の将来の夢は「声優」となってしまっていた。もともとアニメを見るのが好きで、漫画の本も古本屋を開けそうなほどに家にある。

 そもそも、中学に入って吹奏楽部に入部したというのに、なんでバンドとか歌手だとかではなく、声優なんだろう?考えても仕方のないことだと知りつつ、ついつい考えてしまう。

 そうしてかつて、俳優を志していた頃の自分を思い出すことにもなる。無知で無謀で無計画で、加えて無指向性に動くばかりで結果がほとんど出なかったあの頃を思い出してしまう。

 まあ、若さゆえのモニュモニュというやつだろう。

家族で見た風景 その一

 娘が声優になりたいと言い出したのは、高校へあがってしばらくした頃だったような覚えがある。……間違えていたらごめんなさい。

 それからどれだけの時間がかかって、ようやく具体的な行動にうつそうと言うのだ。応援は惜しまない。できる範囲でだが。

 発声練習の基礎となるあたりは、習ったのが既に30年も昔のことだし、反復練習をしていたのはもう5年近く前のことになっている。……具体的な方法とかかなり曖昧にしか覚えてない。

 こんないいかげんで教えていいんだろうか?そんな考えが頭に浮かんだ。そしてすぐさま、Googleさんにこう尋ねてみた。

 「OK Google、発声練習の基礎について教えて」

 「了解しました。ハッセイレンシュウのキソについては、こんな感じです」

 ……我が家のGoogleさんはとてもできた人だ。見るとそこには、数多くの”発声練習”と”基礎”に関わるサイトが並んで表示されている。

 藁にもすがる思いでひととおり、三ページくらいだろうか?検索結果の。を、通し読みして、そこからおもむろに娘に向かって「今からはじめるよ」と言ってみた。実は「発声練習の基礎を教えてください」と言われて、「仕事がまだあるから、それが終ってからならいいよ」と胡麻化していたわけだ。

 というわけでこれから、基礎の基礎となる発生の仕組み(口腔内と腹式呼吸)と、はじめての発声練習あめんぼ赤いな北原白秋の授業をしてまいります。

 いじょ……。

娘の弟 JOY.

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