いよいよ高校生。身長も一気に伸びてどんどん大人になっていく子に、妻と相談して弁当箱を贈った。
「高校いったらお弁当は自分でつくるね!」そういう娘に、父はあんまり信用していないんだが心意気やよしと思うばかり。母はすっかり喜んでいるが、それでも自分でも作りたそうな様子がなんとも言えず見ていて微笑ましい。


「どんな弁当になるのかな。」弁当を食べる機会がなくなって久しい父は、寂しそうにポツリ。
「美味しい弁当に決まっているでしょ。」キッパリと言い切る娘に、母は笑い声で応える。
「でも、たまには購買でパンとかもいいな。」たまにならね。心配性な父はついそうつぶやくのであった。