ひげを剃る。 そして女子高生を拾う。
読後感想
ひげを剃る。 そして女子高生を拾う。
アニメ版の 少しソフトな 物語の後に 原作の方を読んだ。 そして二話目でもう、切ない気持ちでいっぱいになった。
私には、中学生の頃に 仲の良かった 友達がいる。 彼女は とても明るくて、そして優しく、元気だった。
中学三年生になったころ、彼女の両親が離婚し、 そして彼女は引っ越さなくてよかったけれど、それまでの明るさや優しさを忘れてしまったように 変わった。
理由を尋ねても、何も言わない。 何も言わないまま 距離を置かれて、 そうしているうちに 私たちは高校生になった。
別々の学校に通うことになって 心配してはいたんだけど、 メッセも返ってこない、SNSは止まったまま。電話も何度かかけて でも出てさえくれなかった。
高校へ入って半年ほど過ぎた頃に、 お母さんが 家に帰ってくるなり 仕事先で聞いてきたらしい噂話をはじめた。 その中に 友達のことがあり、 そこでようやく 私は彼女に何が起きていたのかを 知った。
こういうところに書く話ではないけど、 そんな彼女のことが 思い出されて、 そうして二話目で泣いてしまったんだと思う。
「そんな顔しないでよ。今まではとりあえずヤらせとけば数週間は置いといてくれたんだって」
2話 宿代
私たちの世代は どう言えばいいのか、 お父さんお母さん世代の言う 性に対する抵抗感は 少ないと思う。 幼いうちから 学校で 性に対してのいろいろなことを教わってきたし、 何をどうしたら 子供ができないで済むかも みんな なんとなくわかった気になっている。
それでいて実際は 男の子なんかが 強引に迫ってくると 本気で暴れて怖がらせてしまったり、 やり方が ネットからの情報で誇張されていたりして 傷がついたり嫌な思いもする。
それでも父母の世代の人たちが言うような、大切なものである意識は ないわけじゃない。 大切なものだから 高いお金をもらえるんだとか、 大切なものだから 切り札に仕える といった程度だけど。
家出をするくらい追い詰まっていたのなら、 体くらい いくらでも使わせてあげる。 体育の授業で 柔軟体操の時 背中を押してあげるくらいの感覚で。
そうは思っても、 それ以前の 家を飛び出すくらいなら なんで 私の家に来なかったのかが 悔やまれてならない。 うざったがられたんだろうか。 あるいは、 はじめから嫌われていたんだろうか。
あれからもう 十数年が経ち、 今ではまた連絡を取り合えるようになった彼女に、 何度か そのことを尋ねたことがある。
けれど彼女は 少し悲しそうな顔をして 「ごめん、内緒」としか言わない。
昔の私なら しつこく聞いていたかもしれない。 けれど今はもう 話してくれるまで気にしないで居ようと考えている。
もし仮に この話にあるように どこかで 誰か 素敵な人と知り合えていて、 それでまた 明るさや優しさを取り戻せたなら いいなと、 そんな現実ではありえないような 想像の物語で 納得をしている。
この物語では 主人公の男の人は 本当にいたらいいなと 思えるような 男の人だ。 エラそうにするけど あんまり偉くなくて、 それでいてそれなりにお金は持っている。 何かしようとすると 率先して 手伝ってくれて、 なのに見返りにと 変態的な目つきで 見てくることもない。
加えて 好きな人に振られたばかりってところも なかなかいいなと思った。
大抵の男は、口では この男の人と 似たようなことは 言う。 だけど 一線を越えたがるタイミングが もっとずっとおかしい。
26歳で高校2年生を養うことになった この男の人、 一度 言ったことは 棚にも上げないで 律儀に守り通そうとする。
こういう人 今はもういないよね。
なんだかおかしなことを 書いちゃったような気もするけど、 そろそろ文字数的には いいらしい。
だから最後に、 この小説を読もうと思った人へ
女の子でまだ学生のうちは 真似したらいけません。 こんな男、現実には皆無なんだから。 家に上がったとたんに 裸に剥かれて、 写真撮られて エロビデオに出させられて、 そのくせお金なんか一円も払わずに 好き勝手されておしまいよ。
男の人は、このタイトルで読もうと思った時点で 終わっていると思ってください。 こんな話で妄想を膨らませて そのうちに 現実でも おかしな犯罪に走る前に もっと身近な女性を大切にする術を 習い覚えてください。
以上、読後感想文でした。
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