おすすめ 小説 迷宮クソたわけ

迷宮 クソたわけ | 作者: イワトオ

読後感想

かつて ウィザードリー というゲームが、パソコン通信で繋がる仲間内で 大流行りしたことがある。

このウィザードリ―、内容的にはダンジョンRPGなのだが、とにもかくにも アバターとして作成したキャラが 死ぬ。 一階層を途中まで行って 罠にはまって死ぬ。 敵が出てきて倒したと思ったら、 すぐに次の敵と当たってしまい 死ぬ。 やった、今回は敵も倒せたし 出口ももうすぐだ、と思っていたら 行きでは引っかからなかった罠に触れてしまい 死ぬ。

とにかく キャラを育てるのに 最初はとても苦労した。

それでも頑張って 安全策をとりつつ コツコツと進めていくと、そこそこに強いキャラに育ったりする。 それで調子こいて サクサクと階層を降りていくと、 強い敵にぶちあったって死ぬ。

キーボードをぶっちぎって半狂乱に暴れたのはいい思い出だ……。

仲間たちの成果も似たようなもので、しかし一人だけ随分と下の階層まで下りていた奴がいた。 皆で どうやったのかを 聞き出すと、 なんと 海外の仲間から いろいろと情報を得ていたという。

早速 その情報を共有してもらい 意気揚々と キャラ作成からやり直し。 このゲームは地上で こうやって 新たに 新キャラを作成することができる。

作るたびに ランダムな パラメータの キャラなのだが、 何度か繰り返すと 稀に 凄いパラメータのキャラが 作成できたりする。 そのことを 知り、 リセットマラソンを繰り返した。

作っては消し、 これは良いかなと思ったキャラは キープしておき、 また作る。 それだけで一日が過ぎたような、過ぎなかったような……。

そうして 何度も キャラの作成と削除を繰り返し、 さていざ行って見ようかで ダンジョンに 突入すると また 調子に乗っていて 下の階層に下がりすぎて 死ぬ。

ああ なんとも言い難い、あの頃はそうした 苦渋の時間ばかりが 過ぎていたような気がしてならない。 もっと将来の為になりそうな 資格取得のための勉強とか しておけばよかったのに……。

とまあ、そういう話は また別の機会にということで 本作の読後感想文を書きます。

この作品でも ゲーム 「ウィザードリ―」 と同じように 登場人物が ごく当たり前のように 死んでいきます。

そういうのが苦手な方は 遠慮した方がいいかもしれません。

主人公は 奴隷として雇われ ダンジョンに潜らざるを得ない 青年。それでも 生まれ育った 村の生活よりは 今の方がいい生活 なんだそうで、 魔法使いとして 無理なく ダンジョンに挑んでいきます。

最初に パーティを組んだ メンバーと 第一層を冒険し……いかん、感情移入すると ここで 心を折られる 展開が待ち受けていました。

それは あまりにもあっさりとした 厳しい現実 にもにた 物語。 正直 そこまで読んで 一旦 読む手が止まってしまいました。

それでも しばらく時間を空けて 続きを読もうと思ったのは、 主人公が どうなっていくのかに 興味がわいたから。 できれば ダンジョンの 稼ぎで ちゃんと奴隷から解放されて、 そうして自分の意志で 人生を選べるようになってほしい。

はてさて、この願い かないますでしょうか?

迷宮 クソたわけ

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