おすすめ 小説 リビルドワールド

リビルドワールド | 作者: 非公開

登場人物

アルファ – 奇妙な美女。

『依頼内容は、私が指定する遺跡を極秘に攻略すること。報酬として私がアキラをいろいろサポートしてあげるわ。これは前払分よ。更に成功報酬として、遺跡の攻略後に貴重な旧世界の遺物を進呈するわ』

本編:第1話 アキラとアルファ より

アキラ – 本編の主人公。

アキラの中の捻ひねくれた部分が、アルファの発言を疑えと指示を出している。しかしアキラにはアルファが自分を騙だまそうとしているようには見えなかった。

(……第一、俺みたいなガキを騙だまして何の意味があるんだ? 俺に金なんか無いことぐらい見れば分かるだろう。それとも俺を揶揄からかっているだけか? それに仮に本当だとしても、こんな得体の知れない相手からの依頼なんて引き受けても良いのか?)

 そう疑った後で、アキラは自分にとって当たり前のことに気付いて、考えを改めた。得体の知れない相手だからこそ、何らかの裏や事情があるからこそ、自分に依頼を持ちかけているのだ。普通の人間は自分など相手にするはずがないのだ。ならばチャンスは生かすべきだ。アキラは覚悟を決めた。

「分かった。どこまで出来るか分からないけど、俺はその依頼を受ける」

 アキラは自分でも驚くほどに強い覚悟を込めて、ハンターとして、初めての依頼の承諾を告げた。

本編:第1話 アキラとアルファ より

アキラはどこにも属していない。家族はいない。その記憶も無い。気が付いたらクガマヤマ都市のスラム街にいただけであり、スラム街に愛着など持っていない。そこから抜け出す力が無かったからそこにいただけで、そこに所属しているなどと欠片かけらも思っていない。またスラム街に無数に存在する何らかの徒党の構成員でもない。

ずっと独りで行動してきた。自身の呼称を自身で定義した時、アキラ、以外の構成要素は存在しなかった。だからこそ、この機会に自身の呼び名を変えようと思えば幾らでも変えられた。呼び名が急に変わっても不都合など無い。その名を呼ぶ者など、どこにもいないからだ。

最近できた、アルファという例外を除いて。

本編:第13話 真面なハンター より

シズカ – 万屋カートリッジフリークの店主。

まじめで正直を絵にかいたような性格。

ハンター稼業は唯ただでさえ死にやすい。子供ならば尚更なおさらだ。そして恐らくアキラには対モンスター用の銃を使った経験さえ無い。シズカは経験でそれを見抜いていた。

「出来れば常連になってもらいたいわ。本当に」

服とリュックサックは、すぐに死ぬかもしれないアキラへの、せめてもの手向けの品だった。

本編:第9話 アキラとシズカ より

エレナとサラ – 二人組のハンター。

とある事情により資金面で難があり、ちょうど噂になりはじめていた「荒野から旧世界の遺物を持ち帰る少年」の話にのり、クマガヤマ遺跡へと訪れた。

エレナ達はハンターとしては落ち目だった。以前はより危険でもっと稼げる遺跡で活動していた。しかし暫く稼ぎの悪い時期が続いてしまい、少々資金難になってしまった。その所為で遺跡探索の準備に費やせる資金が減り、遺跡探索の効率が低下し、更に稼げなくなるという悪循環に陥っていた。サラがナノマシンの補給を切り詰めているのもその所為だ。

本編:第11話 各々の獲物 より

アジラとノジマ – 誤って登録されてしまったアキラのハンター名と、それを教えてくれたハンターオフィスの職員。

訓練と遺跡探索の日々に変化が起きたのは、アキラが買取所で累計10回目の買取手続きを済ませた時だった。いつものように代金を受け取って帰ろうとすると、ノジマに呼び止められる。

「ちょっと待て。今日はこれを持っていけ」

ノジマが紙の地図とプラスチック製のカードをアキラに渡す。地図は都市の防壁周辺のもので、目的地の印が付いていた。

「そこでちょっとした手続きがある。そのカードを職員に見せれば良い。じゃあ頑張りな。アジラ」

「……俺の名前はアキラだ」

アジラは誤って登録されたアキラの名前だ。ノジマが少し不機嫌そうなアキラを見て軽く吹き出す。

「データベースにはそう登録されているんだがな。間違って登録されたのか。誰が登録処理をしたのか知らんが適当な仕事をしやがって。手続きで直せるからとっとと行ってこい」

ノジマはそれだけ言って、どことなく上機嫌でアキラを見送った。

本編:第13話 真面なハンター より

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