「序章」からはじまるこの物語は、37歳の主人公の愚痴めいた独白ではじまります。

アニメを見た方にはわかりやすいかと思いますが、40代 を過ぎるとなかなかアニメを見る機会なんてないのでは？と思います。なので簡単にご説明を。

ラノベ系の主人公は純文学作品のごとく独白が多いものです。一人称目線だからしかたないのかもしれませんが、いったいこの35歳は、誰に向かって語っているのだろうと思わずにはいられませんでした。それはあたかも、シェークスピアの作品を読むがごとく、とでも申しましょうか。「生きるべきか、それとも……」なんて独白はあの時代だから読み応えがあったのでしょうか。

やがて序章が終わり、本編がはじまっていきます。

すると、転生したのがスライムだからでしょうか？途端に独白調の物語が、なんとも可愛らしく面白くなってきたから不思議。

アニメでは声優さんを代えていたからわかりやすかったのですが、どうして文字だけの小説でそんなことができるのでしょう？
と、思わずにはいられない場面でした。

やがて読みすすむにつれてどんどんと引き込まれていきます。物語前半で姿を隠したドラゴンの発するツンデレに、ほんの少しだけ辟易としつつも、いよいよスライムは物語の本舞台へと進み出ていきます……

　テレビのアニメ放送から知ったこの「転スラ」ですが、Webで公開されているストーリーは更に濃密で面白いです。

　全部で２４９話（本編のみ）あり、アニメシリーズではそのうちの６４話分しか放映されていません。残る８５話分はじゃあアニメ化するほどのものでもないのか？なんて思ったら大間違い！

　そもそもアニメ放映の最終話を見ると、この先もしっかりと制作する気はあるみたい。ディアブロのストーリーはアレで終わりじゃああ～りませんよ。

　それでも、アニメ化されるにつれて無駄だとバッサリ切られてしまう設定も少なくはありません。なので、完全版と言える？原作を読んでおくというのも、何かの折に役に立つかもですよ、おじさん。