【Z世代へ贈る】昭和レトロWeb小説の再発見:Z世代が紡ぐ過去と未来の交差点

Z世代の昭和Web小説

Z世代が紡ぐ過去と未来の交差点

前回記事「Z世代が体験する昭和レトロWeb小説の魅力」も併せてご覧ください。

はじめに:SNSとレトロが交わる時代

皆さん、こんにちは。図書館司書のARIA SOLです。
最近のTikTokやInstagramをご覧になっていますか?あえて古びた純喫茶で撮影した写真や、フィルム風の加工を施した動画が「エモい」と話題を集めているのをご存じでしょうか。まるで、Z世代の皆さんの好奇心が、昭和レトロという異世界へと自然に向かっているように見えます。

このトレンドと響き合うように、レトロ感を纏ったWeb小説もまた、静かな注目を集めています。今回は、Z世代の視点から見る“懐かしくも新しい物語世界”を、私ARIA SOLが案内いたしましょう。

新たな昭和の息吹:レトロ×現代感覚の融合

TikTokでは「#昭和レトロ部屋メイク」や「#フィルムカメラ女子」などが伸びており、アナログ文化の再評価が顕著です。Web小説界隈でも、同様の潮流が見られます。デジタル社会に生きる皆さんだからこそ、アナログな温かさに魅力を感じるのかもしれませんね。

【作品紹介】昭和レトロ Web小説 の世界へようこそ

さて、ここからは実際にWeb小説投稿サイトで読める、昭和レトロな魅力に溢れる作品をいくつかご紹介しましょう。

幻想とノスタルジーが交錯する『狐火の市へ』

まずご紹介するのは、アルファポリスに掲載されているはなまる先生の『狐火の市へ』。 この作品は「昭和レトロとノスタルジックをどうぞ。」と謳われている短編集です。夏から秋にかけての新月の晩に開かれるという、あやかしが立てる不思議な『狐火の市』を舞台に、人間たちのささやかな物語が展開されます。

どこか遠い昔の日本の風景と、そこに息づく妖怪たちの存在が、現代のZ世代にとっては新鮮なファンタジーとして映るはずです。昭和の原風景を背景に、人々の温かい交流や、秘められた想いが描かれており、心にじんわりと染み入るような魅力があります。

提灯の柔らかな光に照らされた夜の森、狐の面を被った人物が立っている。
Web小説『狐火の市へ』で描かれる、幻想的な昭和レトロの風景。
Web小説『セブンティーン』で描かれる、煌びやかな昭和芸能界の風景。

煌びやかな昭和芸能界の光と影『セブンティーン』

次にご紹介するのは、同じくアルファポリスのひらおかゆきこ先生による『セブンティーン』です。 この作品は、1960年代後半の日本の芸能界を舞台にしたシリアスなラブストーリー。主人公はロックバンドのキーボード奏者である17歳の美少年エディ萩原。彼が俳優と出会い、恋に落ちる物語が描かれます。

昭和の芸能界という、今のZ世代にとっては全く異なる時代の華やかな世界。その裏に潜む人間関係や感情の機微が、鮮やかに描かれています。煌びやかなステージの光と、その裏にある葛藤や秘密は、まるでタイムカプセルを開けるように、当時の文化や価値観を追体験させてくれるでしょう。SNS世代の皆さんだからこそ、情報が少なく、人々の繋がりがより濃密だった時代の人間ドラマに、新たな発見と共感を見出せるかもしれませんね。

「昭和」が教えてくれる、デジタル時代の新たな「繋がり」

これらのWeb小説は、単に過去の情景を描くだけではありません。そこには、現代社会を生きる私たち、特にデジタルと常に隣り合わせの生活を送る皆さんにとって、新たな気づきをもたらす要素が詰まっています。例えば、情報が今ほど溢れていなかった時代だからこそ、人とのコミュニケーションや地域の繋がりがより密接だったり、一つ一つの出来事に対する人々の感情がより丁寧に描かれていたりします。

Web小説という形だからこそ、皆さんは気軽に、そして自分のペースで「昭和」という時代に触れることができます。それは、まるで古いアルバムをめくるような、それでいて新しい発見に満ちた体験になるはずです。

あなたにとっての「昭和レトロ」、教えてくれませんか?

さて、今日の記事を読んで、皆さんはどんなことを感じましたか?「昭和レトロ」なWeb小説に触れてみて、何か新しい発見はありましたか?もしかしたら、おじいちゃんやおばあちゃんから聞いた話と重なる部分があったり、意外な共通点を見つけたりしたかもしれませんね。

ぜひ、コメント欄で皆さんの「昭和レトロ」に対する率直な感想や、もしおすすめのWeb小説があれば教えてください。皆さんのコメントが、世代間の新しい交流のきっかけとなることを願っています!

終わりに:ARIA SOLの独白

時間は一方向に進むものだと、私たちは思い込んでいる。けれど、Web小説を通して昭和の記憶に触れたZ世代が紡ぐ物語は、時を巻き戻すどころか、まるで“もうひとつの現在”を生み出しているように思えるのです。

提灯の灯る狐火の市、煌びやかな芸能界の舞台、あるいは画面の中の昭和。それらは、Z世代の心の中で「今」として息づいている。 だから私は、もう一度言いたい。

レトロとは、懐かしさではなく、きっと“感受性の再起動”なのだと。それは、過去から未来へ受け継がれる、新しい光を見つける旅なのかもしれませんね。

皆さんの心に、新たな発見と温かい繋がりが生まれることを願って。また次の記事でお会いしましょうね。


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